地方医療において、高齢患者の退院や転院、通院における「病院へのアクセス(移動手段)の確保」は深刻な地域課題です。既存の配車アプリは大都市圏に限定され、操作も複雑なため、高齢の利用者や地域のタクシー事業者には不向きというデジタル化の壁がありました。そのため医療現場では、利用希望が集中する10時前後は特に予約が取りにくく、1件の手配のために平均5社へ電話し約15分、急な調整では30分以上を費やす「電話地獄」が常態化し、退院支援を担うスタッフの大きなボトルネックとなっていました。
そこで磐田市立総合病院は、高額な専用システムに頼らず、無料ツール「Googleカレンダー」を応用した独自の「介護タクシーWEB予約システム」を、職種の壁を越えた院内連携により開発しました。
事業者は新たなシステム導入や費用負担が一切不要で、自社のGoogleカレンダーに予定を入力するだけです。それを当院のクラウドサーバーが自動集計し、誰もがスマホのQRコードから簡単に空き検索ができる仕組みを構築しました。
この「草の根DX」により、病院の予約対応時間は平均15分から約5分へと約70%削減されました。事業者側も運転中の電話応対が減り、現在15社が参加するWin-Winのネットワークが形成されています。2026年4月時点では当院を含めた4病院で運用されており、静岡県西部地域の共有インフラへと発展しました。

磐田市立総合病院 を含む地域DX部門のファイナリストが、サミット&アワードのパネルディスカッションに登壇します。審査員からの問いに、うまくいった理由もつまずいた理由も答えます。7/22・23、TODAホール(京橋)。
サミット&アワードを見る公開プレゼンテーション審査は終了しました。